楽曲分析
いったい何のために楽曲分析(アナリーゼ)が必要になるのでしょうか?
曲をよりよく知るため、だと思います。曲を詳しく見て分析することで、今まで理解出来ていなかった曲のしくみが見えてくる、そして曲がもっと立体的に聴こえてくる、演奏のあるべき方向性が見えてくる、そういう実践的な結果につながる事が楽曲分析の大きなメリットだと思います。
ですから、和音を見て「ここは主和音」「次は属和音」と名づけて、和音ごとのラベル付けをしたとしても、それを演奏にどうやって反映したら良いのかわからない状態だったら、その楽曲分析は曲を理解する助けにはなっていません。むしろ、和音に新しく名前がついたことで話がより複雑になってしまっています。
当教室では「曲を確実によく理解しやすくする」実践的な結果が出るところまでを楽曲分析の役割と捉え、様々な手法をお伝えしながらご希望の曲を題材に楽曲分析を行います。
分析対象は、和音や旋律などだけではありません。形式、リズム、音律、音楽史、楽曲様式、楽器法、そして声楽曲の場合には西洋詩の仕組みを含めた歌詞と音楽の結びつきなど、楽曲から読み取れるさまざまな情報から曲のしくみに近づいていく作業を行います。
楽曲分析を必要とするのはなにも作曲家だけとは限りません。日々数多くのさまざまな違いを持った楽曲に接している演奏家のみなさんにとっても、演奏技術上の練習とは別に曲の中で何が起こっているかを的確に把握し、それを実際の演奏上の処理と結びつけていくための楽曲分析の力は、音楽を実践していく上での大きな柱となります。
個人レッスン以外にグループでのお申し込みも歓迎いたします。また演奏ではなく、音楽鑑賞を目的とした受講も可能です。楽曲分析は、音楽を享受したいすべての人によりよくわかる喜びをもたらします。